ことばのくさむら

言叢社の公式ブログです

『赤ちゃんはできる! 幸せの排泄コミュニケーション 「おむつに頼りすぎない育児」という選択』

★生活と保育シリーズ・4冊目
・赤ちゃんの生命のきまり(品切れ改定中)
・赤ちゃんからはじまる便秘問題 
・生殖へのカレンダー
・赤ちゃんはできる! 幸せの排泄コミュニケーション

新刊・好評発売中
●和田智代 わだ ともよ著  おむつなし育児研究所所長
『赤ちゃんはできる! 幸せの排泄コミュニケーション
「おむつに頼り過ぎない育児」という選択』
★推薦・汐見稔幸氏、寄稿・三砂ちづる
ISBN 978-4-86209-071-3 C2047
定価=本体1600円+税

 

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懐かしい未来の子育て」
・今の日本社会の中で生きづらさを抱える私たちが、もう少し希望と喜びを持って生きるための、大きなヒントがあるんだよという真実を、「おむつに頼りすぎない育児」を実践した母親・父親・赤ちゃんたちが教えてくれました。
・社会性は、社会生活の中で少しずつ育つ。「気持ち良くオシッコ・ウンチしたい」という快便(尿)の基本的な欲求を、察知して対応する保育者に出会うことで、成長してから他者の気持を察知できる力、豊かに想像できる力が、赤ちゃんの中に育っていくのです。
・私たちが失ってきた「いのちを自分の力で守り育てる」という知恵と技を取り戻しながら、必要な時には、高度に進化した「専門のヒトやモノに助けてもらう」という、バランスのとれた未来の子育てを目指したい。それはきっと、とても豊かで温かい、古いけれど新しい、「懐かしい未来の子育て」と呼べるもののような気がしてなりません。
(本文「はじめに」より)

  

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今井書店

 

 

1. 宮本浩子さん・助産
 生後間もない時期から、子どもの自然で気持ち良い排泄に、親がなるべく応えてあげるという、ただそれだけの、すごくシンプルなことの積み重ねなのです。なるべくおむつの外で気持ち良い排泄をさせてあげようとアンテナを立てていると、子どもの排泄行動の変化がすごくよくわかってきて、それによって、排泄行動だけじゃない、子どもの成長や心身の変化にも気づけるようになっていく。すると、大人が何かすごく頑張らなくても、必要な時にちょっとだけサポートすれば、子どもは自分で成長していってくれるのです。
(本文136p.より)

 

2. 石田友子さん・保健師
保健師として伝えたい大切なこと
 今の時代、子育てに関して色々な情報が溢れていて、自分の子のために何をしてあげたらよいのか迷うことも多々あると思います。そんな時にぜひ思い出してほしいのが、まずは、生きていく上で大切な「寝ること」「食べること」「出すこと」がちゃんとできているかということです。これらがしっかりできていてこそ、健康で過ごすことができ、健康であるからこそ、自分らしく充実した生活が送れます。特に小さなお子さんは、この基本ができていないと、体調やご機嫌、やる気などに表れてきます。そしてそれは、子育てのしやすさにまで影響してきます。
 ところが、「寝る・食べる・出す」は当たり前過ぎて、つい後回しになってしまう。特に「出す」つまり排泄は、生まれて間もない頃や離乳食の時期を過ぎると、徐々に意識されなくなっていきます。しかし、オシッコやウンチは「体からのお便り」「健康のバロメーター」で、体調や精神状態を知る手がかりになります。実際にウンチやオシッコを見ながら、体のことを話してあげられる機会は、乳幼児を過ぎるとなかなかない。オマルやトイレでしたウンチやオシッコを親子で見ると、子どもに対して身体のことや健康のことを話す機会が自然に生まれます。
 そういう経験をして育ったうちの子どもたちは、お陰さまで「自分の排泄物を見る」という習慣が自然にできて、「オシッコがいつもより黄色い!」「今日は“いいバナナウンチ”が出た」「硬い“コロコロウンチ”。お野菜が足りなかったかなあ?」など話してくれ、時に的を得たコメントに驚かされ、表現の豊かさに感心しています。子ども自身も、自分の排泄物から自分の身体の状態を理解できるようになっていくんですね。
 やがてそれは「早寝、早起き、朝ごはん、朝ウンチ」という良い習慣となって、毎日の生活を快適で楽しく過ごすための土台となったり、大人になってからの健康づくりにもつながっていく気がします。排泄に寄り添うということは、オムツをはずすということだけでなく、「生涯にわたる健康づくり」という意味でもとても意義深いです。
 だからこれから親になる人には、赤ちゃんが本来持って生まれてきている「おむつの外という開放空間で排泄する能力」の事実を伝えたい。実際にやるかどうかは別としても、おむつなし育児は知っているだけでも十分価値のあることです。
 最近では、「お母さんが楽にできるように」という「育児負担の軽減」が優先され、その結果、三歳児健診でおむつが外れていなくても問題視されることなく、それどころか、健診で紙おむつの試供品が渡されることすらあります。私は自分の子どもたちとの経験を通じて、本当にそれが、「お母さんの負担を軽く、楽にしていること」なのかなと、疑問に思うようになりました。
 今の「子育ての常識」みたいなものをちょっと脇に置いて、例えば「排泄」に寄り添って自分の子どもの育ちをよく見ることで、自分と子どもにとってのベストな「育児の方法」が見つかっていくのではないかと思います。(本文193p.より)

 

3. 堤恵子さん・元幼稚園教諭

●おむつなし育児を通じて学んだこと
 おむつなし育児を通じて娘の排泄に寄り添ったことで、赤ちゃんは大人の思いをよく理解していて、赤ちゃんの方にも「こうしたい」という意思がちゃんとあることを学びました。赤ちゃんの目線で気持ちを理解して対応していくと、お世話する大人の気持ちも楽になっていくのです。大切なことは赤ちゃんが教えてくれるんだとわかっていく。
 それから私は、おむつなし育児を通じて、「子どもの成長を待つ」という子育ての力を、すごく鍛えてもらった気がします。例えば、オマルに座るのを拒否されたり、夜の布団に漏らされたりが続くと、「この状況は、いつ終わるんだろうか?」という不安で一杯になりがちです。でも赤ちゃんを信じて、赤ちゃんの「本当はこうしたい」という気持ちに寄り添って対応して、そして「待つ」ことをしていれば、状況は成長と共に良い方向へと変わっていくんです。今では娘の成長や変化を楽しみに待てるようになりました。
 今の時代は、「なるべく手抜きをする育児」「なるべく楽にやる育児」が良いと言われます。そういう視点から見ると、「おむつなし育児」は手のかかる育児かもしれません。でも、子どもにすごく手をかけるというのは、生後二年間くらいのこの時期だけ。三歳ころになって幼稚園等に入ると、子どもは親から離れて自分の世界を作っていく。その前の最初の二年間くらいを丁寧に関わることで、その後の子育てって、実はすごくらくで楽しくなっていくことを実感しました。
 もう一つ、おむつなし育児に出会ってよかったことは、今もおむつをあまり使わないで子育てをしている、「カオハガン島」に出会えたことです。娘が満二歳なった良いタイミングで、私は娘と二人で島へ行くことができました。日本以外の国や地域の子育てを知る機会を得られて本当によかったです。私が日本でマンションの高層階に住んで子育てしていたころは、家の中に娘と二人でいるのがなんとなく息苦しかったのですが、カオハガン島へ行ってみて、その理由がわかりました。自分が本当にしたい子育てや生き方と、今の自分の状況がすごく違っていたからだったのです。島へ行って以来、「自分がしたい子育てや生き方を、素直に目指していけばいいんだ」と、さらっと思えるようになりました。カオハガン島の男性と結婚して島で暮らしている二人の日本人女性の、自分の気持ちに素直な自由な生き方からも、「自分がその生き方がいいと思えば、そのように生きていいんだ」という勇気をもらいました。
 まもなく四歳になる娘は、家に小さい赤ちゃんが遊びに来ると、頼まれなくてもオマルを持ってきてくれたり、同年代の友達が床でオシッコをしたときも、雑巾で拭いている私の横で「着替えようね~」とサッと着替えを手伝ってくれたりします。自分の排泄を大人に受け入れてもらう経験をした子どもは、ほかの人の排泄も受け入れてあげられるのだと実感しています。私自身も我が子の排泄に限らず、どの子どもの排泄も「すっきり出て気持ちよかったね!」と受け止められるようになりました。
 このおむつなし育児を通じて、育児で悩んだり困ったりしたら、周囲に素直に助けを求めていけばいいんだということも学びました。そして悩みごとを気軽に話せる仲間を作ろうと、子育てサークルを立ち上げました。おむつなし育児にしても、「やってみたけど、上手くできない」のような状態が続いてしまうと苦しくなっちゃうのですが、私は相談できる人が周囲にいてすごく助けられので。子育て中の親同士が、わが子以外の子どもの排泄を温かく受け止めてあげられる関係は本当に気持ちよくて、心から信頼できる仲間になっています。
 思えば、娘が生後間もないころにおむつなし育児と出会い、おむつに頼りすぎることをやめてから、自分の考え方や生き方がどんどん自由になって、どんどん世界が広がりました。(本文238p.より)

  

第1回目・読者の手紙

●y.a.さんより。
 子どもがいない年配の人も、若い人も、その人が、なんでこんなに生きることが大変でやりきれないのかなって困っている人に読んでほしい。
・213ページ 「自分の気持ちを親に想像してもらってそだてられた娘は、機嫌よくしていることが多い。ぐずったりすることが少ない。」
 ここを読んだとき、苦しくて、ぐずぐすぐずっている「わたし」がそうだよ、お母さんはわたしの気持ちにぜんぜん少しも関心を持ってくれなかった! 共感してくれたことなかった!と思った。機嫌よくしてないわたしを母は責めるだけでした。
 おまえは生まれつきおかしい!。
・269ページ 「私の中で眠っていた「内なる自然」にきづくようになると、自分の中に静寂がひろがっていくのを感じます。」
 トイレ問題で、また他のことでも、わが子に惨いことをしてしまって、そのことはわかって苦しんでいる人たちも読んでくださるといいな、とおもいます。「静寂がひろがっていく」のを感じるきっかけをつかめると思うから。
 こんな凄い本をつくってくださり、ありがとうございます!!