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◆言叢社 新刊案内◆ 『「古武道」伝承の歴史人類学的研究 ──モノ・ナマエ・ワザの過去と現代』 足立 賢二著

 

『「古武道」伝承の歴史的人類学的研究  ──モノ・ナマエ・ワザの過去と現代』   足立 賢二著  

ISBN: 978-4-86209-087-4 C3039
[A五判上製]
500p 21cm
(2022-03-26出版)
定価=本体6200円+税(税込¥6,820)

 

 


「古武道」伝承のほんとうの価値と力――「古武道」の伝承論

モノ(巻物)、ナマエ(武名)、ワザ(形・型)が一体となった「古武道」伝承のほんとうの価値と力とは何か。その大きさと奥行、固着化した正統性の欠陥を問う。長年の参与観察と「相伝」の調査研究によって成った力作

 

文化人類学・スポーツ人類学・武道学

🔷フィールドワークと史料分析による「古武道」の伝承論🔷

 

◆本書では次のような内容が記述されています◆

①現代の八光流竹内流(備中伝)・真貫流竹内真影流)・力信流における 伝承 と 伝統 の概要

②近世の武術家 竹内雅門太久居(竹内武極久居) の 自伝的記録2点の全文翻刻

鎌倉地福寺の僧 茲音(ジオン) と 京都・堂上公卿竹内家竹内流との関係

神傳實用流 ・ 天心獨明流の師家 花房厳雄義制の履歴の詳細

⑤近世における竹内流間の交流(訪問修行)の実態

※角石谷竹内流と淡州須本藩・肥後熊本藩肥前佐賀藩播州三日月藩・越前鯖江藩・備中連島・備中妹尾の竹内流との交流の実態※

⑥流儀の一体性を保つことを目的とした、近世武術流派における業形の部分的共通化作業の実態

⑦現代の古武道と「文化財」概念の結びつきの経緯――なぜ古武道は「文化財」とみなされるようになったか――

⑧現代の日本武道と「平和」概念の結びつきの経緯――いかにして日本武道は「平和」とむすびついたのか――

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☆近年、日本の「武道」は日本文化の代表的存在として政策的に活用されています。そして「武道のルーツ」とされる「古武道」については、「貴重な文化財である」との認識のもと、文化財保護法に古武道の名称を加えようとする政治的な動きを観察できます。

☆しかしながら、古武道の学術的研究の現状は未だ発展途上にあり、「文化財指定すべき古武道とはいかなるものか」「そもそも古武道とは何か」について、体系的な議論は不足していると見なさざるを得ません。

☆古武道が将来的に文化財に指定されるか否かに関わらず、古武道の明確な定義や固有の特徴、その継承において重視されている要素を明らかにすることは、政策的見地からも重要であると考えます。

☆本書は、現代の古武道を対象とした学術的研究として、力のこもる一冊です。

 

 

 

 

 

足立賢二 アダチケンジ【著】
言叢社【発行】
ISBN: 978-4-86209-087-4 C3039
[A五判上製]
500p 21cm
(2022-03-26出版)
定価=本体6200円+税

 

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【著者略歴】
足立賢二(アダチケンジ)
1973年岡山県に生まれる。岡山県立倉敷古城池高等学校、信州大学人文学部人文学科、信州大学大学院人文科学研究科地域文化専攻、四国医療専門学校鍼灸マッサージ学科を経て、名古屋大学大学院人文学研究科人文学専攻博士後期課程単位取得後満期退学。名古屋大学大学院人文学研究科博士候補研究員、宝塚医療大学保健医療学部准教授。本書論文により、名古屋大学から博士(文学)の学位を取得。「武医同術」をキーワードとして、日本の伝統武術と伝統医療を対象とする歴史人類学的研究を展開している。