ことばのくさむら

言叢社の公式ブログです

‘‘ジョイスと宗教の問題に切り込む‘‘ 『ガラス越しに見るジョイス』金井嘉彦 著

言叢社 新刊案内◆

JJJS(ジャパニーズ・ジェイムズ・ジョイススタディーズ)第4巻目

ガラス越しに見るジョイス 金井嘉彦 著(2022年6月16日刊行)

 

6月16日は、アイルランドの小説家ジェイムズ・ジョイスの『ユリシーズ』に描かれる一日であることから、登場人物・ブルームの名を取ってブルームズデイと呼ばれる。『ユリシーズ』出版100周年の記念すべきブルームズデイに合わせて贈る新ジョイス論。

 

19世紀はキリスト教にとって激動の時代であった。19世紀末から20世紀初頭には宗教モダニズムと呼ばれる嵐が吹き荒れた。ジョイス作品はそのようなキリスト教のあり様に対する応答としてある。

 

歴史的史料を用いて、ジョイスが宗教と闘い・苦悩する姿を読み解く。沈黙の詩学の浸透したジョイス作品において、求める意味は絡まった糸の中にある。歴史的史料を用いて、その糸を一本一本ほぐし、あたらしい言語を創造することで世界を創造しようとしたジョイスの、時代の言語の復元を試みる。

 

On and on and on and on !

ジョイスがスティーヴンに言わしめた「前へ前へ」という言葉とともに、まだ見ぬジョイスの世界に向け一歩踏み出し、ジョイス研究の新しい地平を切り開く。

 

【目次】
まえがき
一章 アクィナスに刃(やいば)を仕込む〈応用〉
二章 『キリスト教徒に開かれた地獄』よりも地獄を「開く」者
三章 二つの「スキュラとカリュブディス」と、〈イエス伝〉〈イエス小説〉が語るイエスにならいてシェイクスピアを語るスティーヴン
四章 ジョイスが《エッケ・ホモ》に見たもの
五章 バード・ガールに学ぶ見せ消ち
六章 「西への旅」に見る見せ消ち
七章 「まだ学ぶべきことがたくさんある」 ―ジョイスのコインシデンス再考
八章 コインシデンスと沈黙の詩学
九章 ピスガ山より眺め見るコインシデンス ― サインの文学へ
十章 χ(カイ)のユニヴァーサリズム
あとがき/本文註

 
ジェイムズ・ジョイス 1882-1941(イラストは著者)

 

 

ガラス越しに見るジョイス(言叢社ホームページ 書籍詳細リンク)

金井嘉彦(著)

ISBN: 978-4-86209-088-1 C1098
[四六判正規並装]
本文370p
天地188mm×左右128mm×束(厚さ)19mm
(2022-06-16出版)
定価=本体2727円+税【3000円(税込)】

amazon

 

──《既刊》JJJSシリーズ──

 

『ジョイスの挑戦―『ユリシーズ』に嵌る方法

(2022年刊)

金井嘉彦・吉川 信・横内一雄(編著)

【各章執筆者】金井嘉彦・吉川 信・小林広直・田多良俊樹・桃尾美佳・南谷奉良・平繁佳織・横内一雄
【コラム執筆者】新井智也・岩下いずみ・河原真也・田中恵理戸田 勉・山田久美子湯田かよこ

ISBN: 978-4-86209-086-7
[四六判並装]本文352p 18.8cm
定価=本体2727円+税

amazon

 

『ジョイスの迷宮(ラビリンス)──『若き日の芸術家の肖像』に嵌る方法』(2016年刊)

金井嘉彦(著)・道木一弘(著)

【共同執筆者】南谷奉良・平繁佳織・田中恵理・小林広直・横内一雄・金井嘉彦・道木一弘・中山 徹・下楠昌哉・田村 章

f:id:ubuya:20220207153544j:plain

ISBN: 978-4-86209-062-1
[四六判並装]本文340p 18.8cm
定価=本体2600円+税

amazon

 

『ジョイスの罠──『ダブリナーズ』に嵌る方法』(2016年刊)

金井嘉彦(著)・吉川 信(著)

【共同執筆者】小島基洋・桃尾美佳・奥原 宇・滝沢 玄・丹治竜郎・田多良俊樹・横内一雄・南谷奉良・坂井竜太郎・小林広直・戸田 勉・平繁佳織・木ノ内敏久・中嶋英樹・河原真也

f:id:ubuya:20220207153615j:plain

ISBN: 978-4-86209-058-4   C1098
[四六判並装]本文440p 18.8cm
定価=本体2800円+税

amazon