ことばのくさむら

言叢社の公式ブログです

患者さんから中野先生へのメッセージを紹介いたします

言叢社「子育ての基本になる家庭医書」シリーズ
 
・小社では、「子育ての基本になる家庭医書」の書籍をかさねていきたいとおもっております。子どもの激しく成長するこの時期、基本的な大事な知識と知恵をお伝えしたく、刊行していきます。
2015年、『赤ちゃんからはじまる便秘問題』中野美和子著、という本を刊行しました。子どもの排泄に関する本です。昨年5月、2刷りができました。
・著者・中野先生は、日々お忙しい診療の合間をぬって、保育にかかわる全ての方々、子どもの排便に日々悩ましいお母さんたち、保育園・幼稚園・小学校の先生たち、保育士・看護師の方々に、これからも普及活動を行なっていきたいということで、活動をつづけていらっしゃいます。
今回、患者さんからの本の感想と中野先生へのメッセージをご紹介します。あわせて、お子さんやお孫さんの便秘状況の日々がよくつたえられていますので、ご参考いただければ、と思い掲出します。
 

 
■to中野先生
from OM6歳・女児・小学校1年の母より
 
 NHKの「すくすく子育て」にでていらしたお元気そうな、いつものように優しい先生を拝見し、とても嬉しくなりました。

 うちの子は、先生に救って頂きました。
 数年たった今でも、Mのうんちを毎朝みる度に(流す前に本人と一緒に確認している)、毎朝、先生を思い出しております。先生を忘れたことは一日もありません。それくらい、便秘は大変なことでした…。
 現在、排便は毎朝あります。朝食後、自ら便座に座り(排便が苦でない証拠と思う)10分程度でサランラップの芯並の少々太目の立派なうんちをします。
食事はなるべく3食和食です。水分摂取は普通量です。食事量は年齢並、普通と思いますが、3食しっかり食べているので同年の子よりも1日の食事量が多いかも知れません。
 先生にお世話になっていたころ、毎日の排便問題が辛く、悪循環で、子育てに疲れ切っていきました。周りから見たら「たかが便秘」で、追い詰められていました。
 先生にお逢いできずして、今の生活はないと思っております。
 本当の便秘症の子は、便座に座ったくらいでは…、食事の見直しをした位では…、水を飲んだ位では出ませんよね…。

 子どもの排便が習慣化したのは、毎日同じ時間に浣腸をして、直腸の感受性を高め、排便が楽になり、その流れで便座で排便できるようになり、段々それが続いた…、長い時間をかけて少しずつ、その波に乗った…のだと思います。カマ(便秘薬)が必要なくなったのは、4歳2か月ごろです。浣腸もその頃には段々使わなくなっていました。
 幼稚園年中(5歳頃)に入った頃には朝のうんちは習慣化し、カマと浣腸も使った記憶は殆どありません。うんちも、1人でトイレでできるようになりました。
 今でもお尻を拭いてほしいと言えば、拭いてやります。親子で排便に取り組んだので、そのなごりで、今でもお尻を拭いたりしてしまいますが…、コミュニケーションと思ってます。そして、朝からよいうんちを喜びます。

 先生が「すくすく」でもおっしゃったように、忙しくせずゆったり…で、結局、幼稚園年少も行かずに母子でゆっくり過ごしてよかったです。
 今は、徒歩10分の私学小学校(通っていた幼稚園の附属)に通っていますが、朝の時間がゆっくりできる事、学校のトイレが綺麗だったことが決め手でした。多分本人も。
 便秘の子は外でうんちすることは殆どないですし、熱が出たり体調不良と共に便秘を誘発します(便秘が治った時期でも、高熱で便秘になり、浣腸をしたことは数回あります)、
 また、おばあちゃんの家、旅行など外泊時は出ませんね。でも、帰宅すればすぐ解消します、下剤や浣腸が必要になることはほぼないです。時々切れ痔のこともありますが、問題になるようなことはないですし、イボ痔はもうないです。
 人生で下痢したのは数える程しかありません(笑)。

 便秘で悩むお母さんに希望を持ってもらいたいです。
 まずは、中野先生のような専門医に出会えることが一番の救いです。
 そして、Mのようなタイプの便秘のお子さんの場合は、中野先生の専門的治療と決まった時間の浣腸、親子でゆっくりした時間を過ごす、体からの便りのうんちに感謝する気持ちを持つ(汚いものと教えない)、トイレを綺麗にしておく、便秘であることをマイナスに思わない(家族の理解が必要)、一緒にお料理作りなどを楽しむ(食べ物に興味を持つ)、色々こだわらない、必ず治ると信じる、です。

 主観ですが、便秘の親子はやや神経質なタイプの人が多いかも知れません(自覚してます(笑))。
 身体の発達面のお話がありましたが、Mは夜尿(夜間のおねしょが250ccを超えます)がまだあります。夜間のオムツがまだ外せません。先日、専門医の相談を受けましたが、精密検査、知能検査上の異常はなく、膀胱の大きさなどの体の発達の問題と言われました。便秘を乗り越えたので、夜尿に関してはのんびり構えています。
 何より、今、楽しく学校生活を過ごし、穏やかで優しい子に育っています。バイオリンも上手になりました。
 感謝の気持ちと今の現状をお伝えしたく、メール致しました。
 
●中野先生からの「Mさんの事例を講演などの際にはなしてよいですか」と返信をうけて

 先生から、お返事が頂けるなんて夢のようでした!
 Mの事例、皆様のお役に立てるのなら、是非お話してください!とても光栄です。

・小児科医の先生のこと
 「小児科医向けの講演…」。実は、私もそこが一番残念な点です。小児科医に便秘の相談をして、中野先生のような適切な治療をしてくださった医師はおられず、本当に翻弄されました。地域の保健師さん、助産師さん、各種電話相談も、然りでした。
 皆さんのおっしゃることは、「水分、食物繊維、規則正しい生活、トイレに座る練習、神経質にならない」などでした。どれも改善に結びつかず、誰に相談したらいいのかわかりませんでした。
 その頃、川越の保健所が主催された講演を聴きに行く機会がありました。講演後に個人的に質問をしましたところ、「子どもにもそんな便秘があるんだね、余り聞いたことがないね。それは専門医に相談したほうがよさそうだね」とおっしゃいました。
 「専門医」というキーワードが頭に残り、中野先生のご存在を知り、出逢うことができました。私は恵まれていましたが、世のお母さんは、子どもの病気は小児科医と信じて疑いません。「専門医」だなんて、よほどの難しい慢性疾患でない限り、思いつかないものです。
 
●「浣腸が癖になる」という思い込み
 この考えが何故浸透しているのか、私なりに考えてみました。私もそう思っていたからです。私個人の場合は,周りに便秘症の女子の友人がたくさんいて、「便秘薬を飲まないとお通じがない」「小さい時から便秘なの、薬が癖になってるかも」などよく聞きました、このようなやり取りから,便秘薬や涜腸薬は依存性があると思っていました。便秘症の女性は多いです。妊娠中に便秘に悩むお母さんも多いので、「子どものうちに自然なお通じができないと、一生困るかも知れない」という思い込みにつながるのかも知れません。大人の女性の便秘は、なるべく自然な形で、とよく言いますので、子どもにもそれを重ねてしまうお母さんが多いのかも知れません。

季節柄、お体を大切にしてくださいね。
 

 

 
■to. さいたま市立病院小児外科部長 中野美和子先生
●3歳半の孫(男)のこと。祖父・KMさんの手紙
 
 ご多忙のところお邪魔します。突然のお手紙をお許しください。先生の著書『赤ちゃんからはじまる便秘問題』で大変お世話になり、書かずにはおれませんでした。
 3歳半の孫(男)が昨年の7月頃から便秘になり、近所の小児科医に診てもらいました。下剤と浣腸の処方をしてくださいましたが、約6ヶ月が経っても便秘の症状は改善せず、毎日の下剤と週1回の浣腸を続けるのに不安を感じ始めました。孫も浣腸を嫌い、嫌がるのをむりやりするので、虐待かと思われそうで、こちらも気が気でありませんでした。でも孫は排便を済ますと、たぶんすっきりするのでしょう。涙目ながらご機嫌になるので救われました。
 そんな時、偶然先生の著書『赤ちゃんからははじまる便秘問題』を見つけ、早速に熟読、実践を始めました。「鈍感になった腸をもとに直せ」で積極的に浣腸し、硬いジャガイモのような便が2ヶ月程で徐々に柔らかな卵状となり、更にほぼ毎日の排便でバナナに近づいて来ました。孫は排便を嫌がらなくなっただけでなく、自分で頑張るようにもなり、やっと落着きました。
 先生の著書に感謝、感謝です。誠にありがとうございました。
 先生の著書内容を承知されていない小児科医の方々は、下剤と浣腸の処方だけでなく、ぜひともご一読して患者を指導していただきたいと思いました。
 この種の本で索引があるのは稀ですが、大変嬉しい配慮です。
 もう一度、ありがとうございました。


 

 

 

著者:中野美和子先生
 
 

赤ちゃんからはじまる便秘問題―すっきりうんちしてますか?

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