ことばのくさむら

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追悼・文化人類学者 渡辺公三氏

■「親しい著者・渡辺公三氏の急逝」
 
 レヴィ=ストロースの仕事と生涯を、翻訳や評論を通じて、はじめて私たちの前に、その全貌を伝え見せてくれた公三さん。レヴィ=ストロースは100歳まで天寿を全うしたのに、彼は11月に食道癌と伝えてきて、わずかに1か月で自宅で急死してしまった。リンパだけでなく、肝臓にまで転移していた。本人自身も、それほどまで進行していたとは知らなかったのだ。10歳も年下の畏友の死、理不尽な運命の仕打ちに、震駭を受けるとともに、激しいいきどおりを覚えた。受け入れられない。
 昨年来、原稿のほぼ全体をもらい、これから進める手はずだった 論集『身体・歴史・人類学Ⅲ」—批判的人類学のために』 の「構成修正案4」を11月12日に送ってきたとき、まさかこんなことになるとは思わなかった。今おもうと、そうではないというべきかもしれない。これから編集にかかるのだが、その出版に幸いあれ。かれのなしてきたこと、その核心を受けとめたいとおもう。
 

 
《訃報》
 
渡辺公三さん68歳=立命館大副学長
 渡辺公三さん68歳(わたなべ・こうぞう=立命館大副学長、文化人類学専攻)16日、食道がんのため死去。葬儀は近親者で営んだ。同大学院先端総合学術研究科長などを歴任。著書に「闘うレヴィ=ストロース」(平凡社新書)などがある。【毎日新聞2017年12月18日 18時18分、最終更新 12月18日 22時14分】
 
渡辺公三氏死去 立命館副総長、文化人類学
 渡辺公三氏(立命館副総長・立命大先端総合学術研究科教授、文化人類学)2017年12月16日午前0時30分、食道がんのため京都市左京区の自宅で死去、68歳。東京都出身。葬儀・告別式は近親者で行った。【京都新聞2017年12月18日 23時15分】
 

 

 
異貌の同時代―人類・学・の外へ

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