ことばのくさむら

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★新刊『赤ちゃんからはじまる便秘問題』

中野美和子著
 
『赤ちゃんからはじまる便秘問題』
 

赤ちゃんからはじまる便秘問題―すっきりうんちしてますか?

赤ちゃんからはじまる便秘問題―すっきりうんちしてますか?

 
※医療や排泄にかかわる保育の現場の方々からの感想  

 
●戦後70年、戦後すぐに生まれた私たちは、まさに「弾の下をくぐった」奇跡の母たちに生み出されました。一人ひとりの命、とくに子どもの命に出会うと、確かに奇跡の条件が整えられた形そのものだ、と思います。このあえかな、そして大事な生命の育みに立ち向かうこの時期に対応する、「生き抜く」ための原則的な知恵を手にしてほしいと思い、シリーズを考えたいとおもいました。じっくりした営みですが、よろしくお願いします。
 
●さて、今回のテーマは便秘です。
 食育という言葉がいわれて久しく、「食育基本法」がたちあがって10年になります。食の片方の出口、排泄のことは、じつは、毎日毎日の身体のサインとして、誰もがわかっているつもりですが、ほんとうには、知っていないかもしれない………。そして子どもの排泄のこと、とくに便秘のこと。
 
●「排便外来」を開いて、毎日「困っている親子」に向き合う、うんち博士と呼ばれている中野美和子先生(さいたま市立病院・小児外科部長)が、ご自身の診療現場をふまえて、この便秘問題を伝える本を作りました。
 

 

赤ちゃんからはじまる便秘問題―すっきりうんちしてますか?

赤ちゃんからはじまる便秘問題―すっきりうんちしてますか?

 
・「排便外来」という専門の窓口を開いて10年、重症の1000人の患者さんから見えてくる、便秘のしくみの原則。
・子ども(乳児から小学校低学年ぐらい)の便秘と大人の便秘のしくみが違うということを、はっきりしって、さまざまな症状を積み重ねてしまう子どもたちの便秘の問題を、なっとくして、なるべく早くに治療を開始してほしいことが、言葉の端々につたえられています。
・便秘の治療の原則は、はっきりしています。お腹にとどこおってしまった便をまず排出して、とどこおらない状態を保つこと、このことにつきる、といいます。便秘が起こる「しくみ」をはっきりと知って、毎日「すっきりしたお腹を感じる」習慣、をつける「原則」を手にしてほしい。

まずは、
★この本を読んでくださった医療現場・関係の方々の感想を掲載することにします。このあと、わが子の便秘に悩んだお母さんや養育者のかたがたの感想や意見を掲載していきます。
 
 
■この本についていただいた感想文

 
●加藤篤さん・日本トイレ研究所代表  *本書にも寄稿していただきました。
 
 子どもの便秘に関する本であるのはもちろんですが、子どもとの接し方も含め、中野先生のやさしく温かな言葉でつづられた一冊です。
 当たり前ですが、子どもの能力や感受性、成長の早さは、それぞれです。子ども自身が判断できない身体の異常に親が目を届かせ、一緒に成長していくことの大切さに気づかされます。
 中野先生は、この10年間で1000例以上の排便に悩む子どもたちと向き合ってきました。本書には、排便のしくみ、正常な排便、排泄と成長・発達から、便秘の治療方法が丁寧に解説されています。くすりや浣腸は癖にならないの? という悩みにも答えてくれます。
 また、実際の相談事例をもとに患者とのやりとりが数多く掲載されているため、便秘の子がどのような症状になるのか、親がどんな気持ちでいるのか、そのときどのようにすると良いかが分かりやすく書かれています。
 親は子どものために良かれと思うことはなんでも一生懸命に試し、努力します。でも、それでも良くならないことがあり、親子ともに疲れきってしまう例が少なくありません。そんな悩みを抱えている方にぜひ読んでいただきたいです。一つひとつの対応方法が分かりやすく明解に述べられています。便秘解消の本であるのですが、それに取り組む心が軽くなると思います。
 たかが排便、たかが便秘です。だからこそ、そこだけは安心してできてほしい。そこがうまくいかないと毎日が嫌になってしまいますよね。
 最後に、本書の中野先生の言葉を引用します。
「便がたまっているのなら、出せばよい。排便できなくて困っている子どもに向かって、頑張って出しなさい、という精神論はやめて、出せるように手助けすればよい。食事で出せるようになるなら、それでよいし、薬を使ったほうが楽なら、そうすればよい。幼い子どもには手助けが必要です。」
 ぜひお読み頂ければありがたいです。
 

 

 
●和田智代さん・未来こども研究所・おむつなし育児研究所代表 
*本書に「おむつなし育児」についてふれています。
 
 とても読みやすい体裁ながら、専門的な知識がしっかりカバーされていて、本当に、素晴らしい本です!
 これこそ、便秘で悩む親子や、彼らを支援する人々が必要としていた本です!
 おむつなし育児に関わるようになって、世の中には子どもの便秘で本当に悩んでいる親子が実に多いという現実に直面してきました。
 しかし、子どもの便秘問題に適切に対応できる医療関係者が少ないという残念な現実の中、どうしていいのかわからず、右往左往している親子は本当に多いです。
 私自身も便秘気味で、息子も赤ちゃんの時に便秘気味で悩んだ経験もあり、他人事ではありませんでした。
 そんな中、『赤ちゃんからはじまる便秘問題』を世に生み出して下さったことで
ちゃんとわかってない医療関係者の言動に振りまわされないで適切な対応ができる親と、
気持ち良い排泄ができて幸せな生活を取り戻す子どもが増えていくことを、心から嬉しく思います。
 そして、便秘を契機として、中野先生が本の最後で書いておられた「子どもの身体をしっかり見る」ことができる親ごさんが増えていくことを、心から願っています。
 心からの感謝をこめて。
 

 

 
●上野 滋先生・東海大学医学部小児外科教授・小児外科
 
 この本はこどもの排便についての本です。
排便のことを考えたい、困っているというかたがたに、少しでもお役にたちますように、作った本です。
 詩のように綴られた、「はじめに」が本書のメッセージを端的に表している。
 こどもの便秘に悩む家族のため、一般向けということだが、日頃患児の排便のコントロールに悩んだことがある、排便のことはどうも苦手と感じる医師には、経験を問わず、読んでみてほしい。腸管機能、特に排便に関する生理学や鎖肛、Hirschsprung 病、二分脊椎といった病気についての知識をおさらいして、わかりやすく患者や家族に伝えるのにも使える。
 何より、経験豊富な小児外科医である著者が到達した境地、やさしい気持ちが語られている。患児家族の思いと医療者の持つ専門性をすり合わせることができる臨床の力、便秘に限らず、こどもたちの病気を診るものに求められるものが伝わる、まさに薀蓄(ウンチク)の傾けられた書である。
 

 

 
●奥 起久子先生・小児科医・川口市立医療センター新生児集中治療科
 
身近なテーマである割に(ある故に?)、実際知られていないこと,反省させられる
こと,新しい知識が網羅されており,面白くてためになる内容になっています。
 

 

 
●加藤栄治先生・医師・小学校同窓
 
 仕事の合間をみて、ようやく読み了りました。
 内容は濃いものですが、大変分かり易く書かれており、一般の方に理解していただける良書だと思いました。
 小児科医の私にとって同様なケースを経験している場合には、“そうだ”と相槌ちを打ちながら、深い洞察のところには“そうか”と、あるいは“そうなんだ”と感心しながら読みました。
 私自身便秘に感心があるので、先生の含蓄のある文章に、これ迄の先生の臨床経験の深さを読み取り、ここに同志を見つけたりというのが読後感です。
 便秘の子をもった親だけでなく、同門の小児科の先生方に購入を勧めます。
 

 

 
●井出留美さん感想・栄養学・博士
 
 中野先生のご本は、全体性をつたえられようとした「立体」的な印象を受けました。中野先生がおっしゃっている通り、大人の場合は食物繊維を摂取してはいけない便秘ことだったり、それ以外の便秘に関しては、「食物繊維をとりましょう」で終わってしまっているように感じます。
 そもそも子どもは摂取目標量も少ないですし、あまりに過剰に摂取すると負荷がかかってしまうので、それ以外の点からアプローチされているのが、子どもに寄り添っているように感じます。
 私は「食」の専門なので、やはり本の中で食に関するところを注目するのですが、私が業界につとめて、はじめて特定保健用食品(トクホ)の申請をした商品、ケロッグオールブランですが、本著で薦めてくださっていました。なんだかうれしく思いました。
 また、末尾のほうで災害時の便秘についても、触れてくださっているのが「かゆいところに手が届く」まさにきめ細やかで、この本を立体的に奥深くしている印象を受けました。私も震災以降支援をしてきましたが、平常時と異なり、非常時には普段想定していないことが起こります。日本は自然災害が多く、災害時の便秘に専門家の方が言及することがとても大切だと、感じました。
 

 

赤ちゃんからはじまる便秘問題―すっきりうんちしてますか?

赤ちゃんからはじまる便秘問題―すっきりうんちしてますか?