ことばのくさむら

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《著者便り》ふくもと まさお氏(3)

ベルリンから著者便り(3)ふくもとまさお
 

 
●対話について
 
 今年(2015年)は夏から秋にかけて2回、日本にいく機会がありました。それを利用して、日本では全体で8回話をしました。戦後70年となる今年、特に日本の若い人たちとドイツの戦後について話をして対話したかったからです。その他にも、出したばかりの「小さな革命」の朗読会では、本の朗読会でありながら、結構政治的な話をしました。
 日本で対話をしたかったのは、東ドイツ民主化運動の発端が、市民同士が対話をして国の将来について議論することにあったからです。元々、ドイツでは政治的な議論が市民同士の間で活発におこなわれています。自分の政治に対する意見をぶつけ合う。それは、ドイツでは当たり前のことなのです。
 しかし、日本では政治的な話を避ける傾向があります。真剣な議論になって、互いに本音をいうのを避ける。今回日本で知り合ったある社会心理学の先生は、日本人には対話はできないとおっしゃいました。お互いの関係とその場の空気を読んで話をするので、お互いの意見をぶつけ合うまでの議論にはならないというのです。
 第二次安倍政権が誕生して政治がかなり右寄りに傾き、政治権力の力で政治を行なう傾向が強くなるばかりです。1票の格差の問題から選挙法が違憲状態にあると裁判所が判断している状態では、選挙で選ばれた政治家は違憲状態の議員です。そして、政府も違憲状態にあるということを忘れてはなりません。この状態で政治を行なうには、本来であれば、その状態を認識して国民に忍耐強く説明しながら、社会的コンセンサスを求めて政治を行なっていかなければならないはずです。それが、民主主義の本来の姿だと思います。しかし、今の政治は国民の声を無視した政治権力の暴走です。
 この政治状態は、ぼくが暮らしていた社会主義独裁体制下の東ドイツの時代とたいへんよく似ているところがあります。その社会主義独裁体制を崩壊させた東ドイツ民主化運動。それは、東ドイツ市民が社会を変えるために試みた市民同士の対話からはじまりました。秘密警察に監視されている状態で、市民同士が自宅に人を集めて対話をする。それは、自分が危険人物として拘束されるのを覚悟しての行動でした。それを見てきた体験から、ぼくは今の日本でも、市民の対話が非常に大切だと思っています。
 実際日本で対話をしてみて感じたのは、市民の中に対話がしたい、今対話が必要だと感じられていることです。5つの大学で戦後問題について話をしましたが、若い人たちが二度と戦争を起こしてはならないとしっかりした意識を持っているほか、憲法に関してもその意味と内容がはっきりと認識されていることがわかりました。これは、ぼくにとってとてもうれしい驚きでした。
 対話をはじめる。それは、簡単なことではないかもしれません。しかし、自分の生活の中、身の回りの近いところで少しずつ社会の問題や政治について話す機会をつくっていく。2人だけで、あるいは3人くらいの小さなサークルでまず自分の身の回りの問題から話してみる。お互いの考えの違いを知ることも大切だと思います。それが互いに尊重しながら対話をする土台になるはずです。そして、違う考えを持った人から刺激を受ける。それぞれの考えがまったく同じだということのほうがおかしいのですから。
 東ドイツ市民がはじめたように、それがだんだん大きなサークルとなって社会に変化をもたらす大きな力になるかもしれません。今度日本を訪れる時には、ぼくもまたそうしたサークルの中に入れてもらいたいと思います。
 

↑ふくもとまさお氏による講義の様子
 
★9月から10月にかけて日本に一時帰国していたのを利用して、東京電力福島第
原発の脇を通る国道六号線をいわき市から北上して、双葉町までいっ てきま
した。
その時撮影した写真をホームページ「ベルリン@対話工房」に「国道6号線を行
く」のタイトルでアップしましたので、このブログでも紹介しておきます。
 
ベルリン@対話工房:国道6号線を行く(1) ←こちらのリンクをクリックしてください
 
 

 
ドイツ・低線量被曝から28年―チェルノブイリは終わっていない

ドイツ・低線量被曝から28年―チェルノブイリは終わっていない

 
http://gensousha.sakura.ne.jp/gendai/hukumoto/28-2.html ←言叢社のホームページの著書紹介コーナーにリンクしています。「既刊」の文字をクリックしてください。

著者による朗読会のお知らせ(終了)

ふくもとまさお著
 
『小さな革命・東ドイツ市民の体験  統一のプロセスと戦後二つの和解
 

 

 

※朗読会は好評のうちに終了いたしました。ありがとうございました。
 
 

★新刊『赤ちゃんからはじまる便秘問題』

中野美和子著
 
『赤ちゃんからはじまる便秘問題』
 

赤ちゃんからはじまる便秘問題―すっきりうんちしてますか?

赤ちゃんからはじまる便秘問題―すっきりうんちしてますか?

 
※医療や排泄にかかわる保育の現場の方々からの感想  

 
●戦後70年、戦後すぐに生まれた私たちは、まさに「弾の下をくぐった」奇跡の母たちに生み出されました。一人ひとりの命、とくに子どもの命に出会うと、確かに奇跡の条件が整えられた形そのものだ、と思います。このあえかな、そして大事な生命の育みに立ち向かうこの時期に対応する、「生き抜く」ための原則的な知恵を手にしてほしいと思い、シリーズを考えたいとおもいました。じっくりした営みですが、よろしくお願いします。
 
●さて、今回のテーマは便秘です。
 食育という言葉がいわれて久しく、「食育基本法」がたちあがって10年になります。食の片方の出口、排泄のことは、じつは、毎日毎日の身体のサインとして、誰もがわかっているつもりですが、ほんとうには、知っていないかもしれない………。そして子どもの排泄のこと、とくに便秘のこと。
 
●「排便外来」を開いて、毎日「困っている親子」に向き合う、うんち博士と呼ばれている中野美和子先生(さいたま市立病院・小児外科部長)が、ご自身の診療現場をふまえて、この便秘問題を伝える本を作りました。
 

 

赤ちゃんからはじまる便秘問題―すっきりうんちしてますか?

赤ちゃんからはじまる便秘問題―すっきりうんちしてますか?

 
・「排便外来」という専門の窓口を開いて10年、重症の1000人の患者さんから見えてくる、便秘のしくみの原則。
・子ども(乳児から小学校低学年ぐらい)の便秘と大人の便秘のしくみが違うということを、はっきりしって、さまざまな症状を積み重ねてしまう子どもたちの便秘の問題を、なっとくして、なるべく早くに治療を開始してほしいことが、言葉の端々につたえられています。
・便秘の治療の原則は、はっきりしています。お腹にとどこおってしまった便をまず排出して、とどこおらない状態を保つこと、このことにつきる、といいます。便秘が起こる「しくみ」をはっきりと知って、毎日「すっきりしたお腹を感じる」習慣、をつける「原則」を手にしてほしい。

まずは、
★この本を読んでくださった医療現場・関係の方々の感想を掲載することにします。このあと、わが子の便秘に悩んだお母さんや養育者のかたがたの感想や意見を掲載していきます。
 
 
■この本についていただいた感想文

 
●加藤篤さん・日本トイレ研究所代表  *本書にも寄稿していただきました。
 
 子どもの便秘に関する本であるのはもちろんですが、子どもとの接し方も含め、中野先生のやさしく温かな言葉でつづられた一冊です。
 当たり前ですが、子どもの能力や感受性、成長の早さは、それぞれです。子ども自身が判断できない身体の異常に親が目を届かせ、一緒に成長していくことの大切さに気づかされます。
 中野先生は、この10年間で1000例以上の排便に悩む子どもたちと向き合ってきました。本書には、排便のしくみ、正常な排便、排泄と成長・発達から、便秘の治療方法が丁寧に解説されています。くすりや浣腸は癖にならないの? という悩みにも答えてくれます。
 また、実際の相談事例をもとに患者とのやりとりが数多く掲載されているため、便秘の子がどのような症状になるのか、親がどんな気持ちでいるのか、そのときどのようにすると良いかが分かりやすく書かれています。
 親は子どものために良かれと思うことはなんでも一生懸命に試し、努力します。でも、それでも良くならないことがあり、親子ともに疲れきってしまう例が少なくありません。そんな悩みを抱えている方にぜひ読んでいただきたいです。一つひとつの対応方法が分かりやすく明解に述べられています。便秘解消の本であるのですが、それに取り組む心が軽くなると思います。
 たかが排便、たかが便秘です。だからこそ、そこだけは安心してできてほしい。そこがうまくいかないと毎日が嫌になってしまいますよね。
 最後に、本書の中野先生の言葉を引用します。
「便がたまっているのなら、出せばよい。排便できなくて困っている子どもに向かって、頑張って出しなさい、という精神論はやめて、出せるように手助けすればよい。食事で出せるようになるなら、それでよいし、薬を使ったほうが楽なら、そうすればよい。幼い子どもには手助けが必要です。」
 ぜひお読み頂ければありがたいです。
 

 

 
●和田智代さん・未来こども研究所・おむつなし育児研究所代表 
*本書に「おむつなし育児」についてふれています。
 
 とても読みやすい体裁ながら、専門的な知識がしっかりカバーされていて、本当に、素晴らしい本です!
 これこそ、便秘で悩む親子や、彼らを支援する人々が必要としていた本です!
 おむつなし育児に関わるようになって、世の中には子どもの便秘で本当に悩んでいる親子が実に多いという現実に直面してきました。
 しかし、子どもの便秘問題に適切に対応できる医療関係者が少ないという残念な現実の中、どうしていいのかわからず、右往左往している親子は本当に多いです。
 私自身も便秘気味で、息子も赤ちゃんの時に便秘気味で悩んだ経験もあり、他人事ではありませんでした。
 そんな中、『赤ちゃんからはじまる便秘問題』を世に生み出して下さったことで
ちゃんとわかってない医療関係者の言動に振りまわされないで適切な対応ができる親と、
気持ち良い排泄ができて幸せな生活を取り戻す子どもが増えていくことを、心から嬉しく思います。
 そして、便秘を契機として、中野先生が本の最後で書いておられた「子どもの身体をしっかり見る」ことができる親ごさんが増えていくことを、心から願っています。
 心からの感謝をこめて。
 

 

 
●上野 滋先生・東海大学医学部小児外科教授・小児外科
 
 この本はこどもの排便についての本です。
排便のことを考えたい、困っているというかたがたに、少しでもお役にたちますように、作った本です。
 詩のように綴られた、「はじめに」が本書のメッセージを端的に表している。
 こどもの便秘に悩む家族のため、一般向けということだが、日頃患児の排便のコントロールに悩んだことがある、排便のことはどうも苦手と感じる医師には、経験を問わず、読んでみてほしい。腸管機能、特に排便に関する生理学や鎖肛、Hirschsprung 病、二分脊椎といった病気についての知識をおさらいして、わかりやすく患者や家族に伝えるのにも使える。
 何より、経験豊富な小児外科医である著者が到達した境地、やさしい気持ちが語られている。患児家族の思いと医療者の持つ専門性をすり合わせることができる臨床の力、便秘に限らず、こどもたちの病気を診るものに求められるものが伝わる、まさに薀蓄(ウンチク)の傾けられた書である。
 

 

 
●奥 起久子先生・小児科医・川口市立医療センター新生児集中治療科
 
身近なテーマである割に(ある故に?)、実際知られていないこと,反省させられる
こと,新しい知識が網羅されており,面白くてためになる内容になっています。
 

 

 
●加藤栄治先生・医師・小学校同窓
 
 仕事の合間をみて、ようやく読み了りました。
 内容は濃いものですが、大変分かり易く書かれており、一般の方に理解していただける良書だと思いました。
 小児科医の私にとって同様なケースを経験している場合には、“そうだ”と相槌ちを打ちながら、深い洞察のところには“そうか”と、あるいは“そうなんだ”と感心しながら読みました。
 私自身便秘に感心があるので、先生の含蓄のある文章に、これ迄の先生の臨床経験の深さを読み取り、ここに同志を見つけたりというのが読後感です。
 便秘の子をもった親だけでなく、同門の小児科の先生方に購入を勧めます。
 

 

 
●井出留美さん感想・栄養学・博士
 
 中野先生のご本は、全体性をつたえられようとした「立体」的な印象を受けました。中野先生がおっしゃっている通り、大人の場合は食物繊維を摂取してはいけない便秘ことだったり、それ以外の便秘に関しては、「食物繊維をとりましょう」で終わってしまっているように感じます。
 そもそも子どもは摂取目標量も少ないですし、あまりに過剰に摂取すると負荷がかかってしまうので、それ以外の点からアプローチされているのが、子どもに寄り添っているように感じます。
 私は「食」の専門なので、やはり本の中で食に関するところを注目するのですが、私が業界につとめて、はじめて特定保健用食品(トクホ)の申請をした商品、ケロッグオールブランですが、本著で薦めてくださっていました。なんだかうれしく思いました。
 また、末尾のほうで災害時の便秘についても、触れてくださっているのが「かゆいところに手が届く」まさにきめ細やかで、この本を立体的に奥深くしている印象を受けました。私も震災以降支援をしてきましたが、平常時と異なり、非常時には普段想定していないことが起こります。日本は自然災害が多く、災害時の便秘に専門家の方が言及することがとても大切だと、感じました。
 

 

赤ちゃんからはじまる便秘問題―すっきりうんちしてますか?

赤ちゃんからはじまる便秘問題―すっきりうんちしてますか?

謹賀新年

あけましておめでとうございます。
本年も引き続きよろしくお願いいたします。
 

  
 
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《著者便り》第2回 市澤 秀耕氏

2013年3月に出版された、『山の珈琲屋 飯舘 椏久里の記録』(書き下ろし)の著者・市澤秀耕さんの便りです。
フクシマ過酷事故で全村避難となった飯舘村で、20年前に自家焙煎の珈琲屋さんを始めて、まさに山里の景観のなかでおいしいコーヒーが大人気だった「椏久里」。現在、福島市に避難中。
3年7ヶ月でようやく始まった、市澤家の現在の感想と除染報告を伝えていただきます。

 
******************************
 
「福島から」                  市澤 秀耕
 
このブログに寄稿する提案を二つ返事で受けてから、ずいぶんと日にちが経ちましたが、ずっと気になっていました。
原発事故によって避難している身としては、回りに、書くテーマはいくらでもあると思い、気軽に引き受けたのでした。いざ何を書こうか想いを巡らすと、中途半端な掘り下げになるのではなかろうかなどと、あれこれ逡巡し手つかずでした。初めての著書となる『椏久里の記録』を出版してから、世にさらす文章を書くことに対して、ある種のためらいを覚えていたことも理由のひとつです。
さて、いよいよ書いてみようと着手しました。まず、なにをテーマにすべきか?思いつく言葉をメモしてみました。こんな言葉がメモされました。「除染」、「心境」、「未来あるいは今後」、「飯舘」、「珈琲店」。並べてみると、今の自分の気がかりが浮き彫りになりました。
現在の飯舘の状況から今後をどう見据えていくかということです。これからの生活設計とそれと不可分の土地利用(農地や山)が、頭の中でモヤモヤしています。
事故と避難から3年半が過ぎました。私は、福島県飯舘村で椏久里珈琲という自家焙煎珈琲店を営みながら、代々続く農業をブルーベリー園経営に転換している途上の事故でした。今は、避難先の福島市内で珈琲店を開いています。
10月下旬の現在、飯舘村で進められる環境省の除染作業はいよいよ勢いが増してきました。所用でたまに飯舘宅に戻りますが、作業員の多さと行き交うトラックや重機の作業風景のすさまじさは、驚くばかりです。
除染に関する所感のあれこれを口にすることは、もはや無駄なことに感ずるほどの勢いです。とにかく、住宅周りと農地の除染を一順させ避難解除という路線を、ただひたすらに突っ走っているように見えます。
除染を一順させ、早く次のステージを迎えたいという気持ちは、私にもあります。その段階を迎えたときにどんな身の振り方をするのか?「避難が解除されたら、帰るの?」、「帰れないよね?」というようなことを、ちょくちょく尋ねられます。最近は少なくなった避難者へのアンケートなどでも、同じような質問が必ずありました。こうした問いを受けるたび、私は、一瞬、答えに窮します。答えは「帰るか、帰らないか」の二者択一にはなく、別の答えが私の胸の中にあるからなのでした。
避難暮らしや避難解除後について、個々の事情や考え方はそれぞれ違います。近所の方や親しい友人たちとそのことについて話しますが、似たような境遇と考えであっても、微妙な個別事情の違いやそこから到達する選択肢を理解しあえたときには、安心、安堵します。心が開きます。
全体を俯瞰して避難に関する施策を進めることは大事です。同時に、施策を進める側が、虫の目になって一人一人の事情や苦悶をよく聞いて、わかり合うことの必要性を感じます。再生の施策は、政治行政の方針と被災者の声との両者から生まれるべきです。現状は、後者が不足しています。あまりに広範で多用かつ複雑な被害の今回の災害に、首長の意見聴取だけで対応策していては、被災者全体の声を反映しきれません。
除染の重機に乗っていれば、表土を綺麗に剥ぐことや周囲の障害物に絶対の視線と集中力が向けられるでしょう。この際に、重機の下敷きになる蛙やモグラやミミズの息吹に寄り添う心配りが、心傷める被災者には必要だと思うのです。
 
 
【写真説明】
我が家の除染の開始日は知らされませんでした。息子のコーヒー配達日による状況報告から推察するに、10月10日頃のスタートと思われます。送信した画像の撮影日は、宅内可燃ごみ収集があった10月21日です。終了まではおそらくあと1か月ぐらい要するのではないでしょうか。人数は15〜20名ぐらいの方が、我が家の除染に入っています。
先ず、標高の高いところ、自宅裏山の表層堆積物を手や熊手で剝いで、自宅駐車場(広場)に運び、そこでフレコンバッグに詰める作業をしていました。山は、もう一度表層部を取り除くそうです。同時に自宅前、県道北側のブルーベリーの草刈りをしています。その後、こちらも表土を剝いで、新しい土をかぶせる予定になっています。自宅庭なども未着手ですが、同様の工程を予定しています。
 
2014年10月21日(火)





ブルーベリー畑の草刈りの様子と草刈り後の状況です。
ピンクのテープは障害物の目印です。電線やアンテナケーブルなど、要注意箇所にマーキングされています。
 



駐車場で山から出てきた廃棄物をフレコンバッグに詰めています。
 

裏山の表層堆積物を剝いでいます。ビニールシートに載せて駐車場に運びます。
 

1回目の表層堆積物除去が済んだ裏山の状況です。
宅建物から20〜30mほど離れたところまでこのような状況です。
 

自宅東の山道です。ピンクテープは除染境界を示していると思われます。
 
2014年11月2日(日)
日曜日なので作業は休みでした。自宅に大きな足場が設置されていました。
ブルーベリー畑は草刈りの行程が済み、刈った草は片づけられていました。







自宅
 







 
2014年11月4日(火)
足場が設置された自宅と自宅東の焙煎工場の屋根及び外壁のふき取り作業が行われていました。
ブルーベリー畑では、スコップなどで厚さ5センチほど表土や堆積物を剥いで、一輪車で、剥いだ表土部分を私道トラック待機場所へ運び、そこでフレコンバックに入れて、トラックで運び出しています。




自宅
 








 
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《参考画像》以下の画像は言叢社の五十嵐が除染前の2014年7月に撮影したものです

飯舘村・市澤家
 

対面の、三角山
 

椏久里さんのブルーベリー畑 実った先から動物たちにたべられている。空間線量1.45マイクロシーベルト
 

住まいの前庭に建つ椏久里珈琲店
 

雨どいの下、約20マイクロシーベルト
 

雨どい
 

室内
 

掘りゴタツ
 

飯舘・椏久里珈琲店
 

店の中
 

休業のおしらせ
 

残されたまま
 

美由紀さん
 

 
 

動物たちの食べかすがちらかる
 

除染の土
 

 
 

除染が済んだ場所
 

除染中の民家
 

 
 

 
 

除染の村
 
 
 


山の珈琲屋 飯舘「椏久里」の記録

山の珈琲屋 飯舘「椏久里」の記録

 
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《著者便り》ふくもと まさお氏(2)

ベルリンから著者便り(2)ふくもとまさお
 

 
 岩波書店の雑誌『科学』6月号で、福島県とその周辺都県における死産と乳児(ゼロ歳児)死亡の推移をドイツの専門家と共同で時系列的に統計解析した結果を発表しました。解析では、厚労省の人口動態統計データを使いました。解析の結果、福島県とその周辺県で、2011年12月から死産と乳児死亡が増加していることがわかります。
 ぼくの本の中でも、厚労省の人口動態統計を使って時系列解析した結果を載せ、3.11後に日本で被曝による健康被害が見られることについて書きました。ただ本では、執筆時に人口動態統計の概数しかなかったので、それを解析した結果を暫定的に載せているにすぎません。
 人口動態統計については昨年秋に、2012年までの確定数が発表されています。ですから、最終的にはその確定数を解析しなければ正確な結果は出てきません。その確定数を解析した結果が『科学』で発表したものです。ですから、『科学』で発表したものはぼくの本の続きといってもいいものです。
 『科学』での発表後、ベルリンの日本人からは「よくやってくれた」とか「ありがとう」など、ポジティブな反響がありました。それに対して、日本からは「なぜ、そんなことをするのだ」、「静かにしておけ」などネガティブで、発表を批判するもののほうが俄然多かったように思います。
 日本からこういう反応が出ることは、ある程度予測はしていました。しかし、反原発運動をしている人や原発を批判的に見ている人などからも、そういう批判があったことは予想外でした。
 同じように3.11後の日本における被曝の影響について書いたぼくの本に対しては、これまで日本の読者からも、ドイツにいる日本人の読者からも予想以上にいい反響をもらっています。本では、チェルノブイリ後にドイツにおいて低線量被曝によって健康被害が発生している事実を少し詳しく書いています。そのドイツでの経験から、3.11後に日本において被曝の影響が発生していないのだろうか。それが、ぼくの本の1つの重要なポイントでした。ドイツでの経験からすると、日本で健康被害が起こっていても不思議ではないことがわかるからだと思います。
 日本での健康被害の状況は、今の段階でも時系列解析という簡単な方法で観察できます。もちろん、その方法には限界があるのも事実です。しかし、事実はできるだけ早く把握していかなければなりません。そのため、専門的に今可能な方法でできるだけ正確に状況を把握して、それが本当に被曝によるものかどうかしっかり議論していなかければなりません。それが、被曝を避ける方法だと思います。
 ただそうすることが、むしろ地元住民を不安にさせるだけだという人がいます。ぼくは、それはむしろ逆だと思います。できるだけ早く正確に事実を把握し、正確な情報を発信していく。それによって、危険が具体化していきます。危険が具体化すれば、危険をどう避ければいいのか判断できるようになります。それは、むしろ不安を和らげると思います。
 これは、ぼくがドイツでチェルノブイリを体験したことから学んだ教訓です。
 
*ベルリン@対話工房 www.taiwakobo.de
 
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著書の紹介:http://www5.ocn.ne.jp/~gensosha/gendai/28-1.html←「既刊」の文字をクリックしてください(言叢社のホームページに飛びます)
 

ドイツ・低線量被曝から28年―チェルノブイリは終わっていない

ドイツ・低線量被曝から28年―チェルノブイリは終わっていない