ことばのくさむら

言叢社の公式ブログです

明けましておめでとうございます

本年も言叢社同人一同
「ことばのくさむら」と「ことばのうぶや」、そして「知の大地」を深耕すべく
さまざまな視点から取り組んでいく所存ですので
よろしくお願い申し上げます。
 
 平成28年丙申歳 正月元日
 
図書出版-言叢社ホームページ
 
 
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ベルリンのふくもとまさお氏からも新年の挨拶が届いていますので、ご紹介いたします。

 
※ Grusskarte / 賀状 ※
 
Ihnen/Euch und den Kindern
wünsche ich
ein friedliches glückliches Neues Jahr 2016
 
みなさんと子どもたちのために
平和でよい新年となりますよう願っています
 
masao / まさお
 
http://www.taiwakobo.de/neu/berlinerluft/grusskarte4.htm
 

ベルリン@対話工房

新刊紹介 羅英均著『わたしが生きてきた世の中』

『わたしが生きてきた世の中
 ―身辺からみつめた戦後韓国、激動の歴史

 羅 英均 著 
2015.10.に刊行いたしました。
 

 
●「私たちは政治をヌキにしては、かんがえられない。」という著者。戦後韓国社会の混乱を生き抜いた英文学者・羅英均と家族の自伝的記録です。たえずみじかな足元におこる政治社会の過酷さを、深い眼ざしで見据え続けた韓国の激動の戦後史でもあります。
満洲時代、奉天にあった日本人が主の小学校・加茂小学校に学び、「日本語でものを考え、血液の中まで日本的な要素が浸透した」少女は、16歳の夏にソウルで「解放」を迎えました。が、その日を境に、「日帝時代」に禁止されていたハングル語を学ぶことになります。教育現場は大混乱。
・戦後もしばらくは、外国の文学を日本語の翻訳で読み続けて、今でもじつは日本語が一番早く読める、といいます。韓国人でありながら、日本人的な感受をもつ、自己の「内なる二重性」への気づき。加えて、父親から早くに英語を学ぶことを薦められ、英語英文学の学究となった。
・この二重の内=外からのまなざしと、韓国人としての愛憎。そのゆえにこそ、自国の歴史を冷静にみつめながら、夫・全民濟とともに、生涯の仕事とするものを貫き通した。前著『日帝時代、わが家は』に続く自伝的記録は、一人の女性の生き抜き方とともに、われわれがほとんど関心をもたなかった隣りの国・韓国の戦後史を伝えてくれる、私たちの隣人への想像力にとって、とても大切なものをふくんでいる、と思います。
 
●「週刊読書人四方田犬彦さんの書評を掲載します。
四方田氏(比較文学史、映画史、漫画論、記号学)は、隣国ながら、この国の文化についてあまり知られていなかった韓国に20年前から関心を持ち、映画やロックなどさまざまなサブカルチャーの真価を見出して日本に紹介、韓国映画が活気づき国際的に知られる糸口になりました。1979年韓国ソウルの建国大学に1年赴任することになり、当時日本の英文学会会長だった由良君美氏が、韓国英文学会会長の羅英均さんに、弟子の四方田さんを紹介。羅さんは、由良さんから「よろしくたのむ」ということで、才能ある若い友人として、以後、長年のお付き合いをされてきました。
・羅さんの日本での最初の著作『日帝時代のわか家は』(みすず書房)が日本で出版されたのも、四方田氏の強力な薦めがあったようです。
 

 

羅家父母と私(手前中央)、妹弟
 

著者近影
 

南山からのソウル城内の眺望
 
[rakuten:guruguru-ds:11692599:detail]

《著者便り》ふくもと まさお氏(3)

ベルリンから著者便り(3)ふくもとまさお
 

 
●対話について
 
 今年(2015年)は夏から秋にかけて2回、日本にいく機会がありました。それを利用して、日本では全体で8回話をしました。戦後70年となる今年、特に日本の若い人たちとドイツの戦後について話をして対話したかったからです。その他にも、出したばかりの「小さな革命」の朗読会では、本の朗読会でありながら、結構政治的な話をしました。
 日本で対話をしたかったのは、東ドイツ民主化運動の発端が、市民同士が対話をして国の将来について議論することにあったからです。元々、ドイツでは政治的な議論が市民同士の間で活発におこなわれています。自分の政治に対する意見をぶつけ合う。それは、ドイツでは当たり前のことなのです。
 しかし、日本では政治的な話を避ける傾向があります。真剣な議論になって、互いに本音をいうのを避ける。今回日本で知り合ったある社会心理学の先生は、日本人には対話はできないとおっしゃいました。お互いの関係とその場の空気を読んで話をするので、お互いの意見をぶつけ合うまでの議論にはならないというのです。
 第二次安倍政権が誕生して政治がかなり右寄りに傾き、政治権力の力で政治を行なう傾向が強くなるばかりです。1票の格差の問題から選挙法が違憲状態にあると裁判所が判断している状態では、選挙で選ばれた政治家は違憲状態の議員です。そして、政府も違憲状態にあるということを忘れてはなりません。この状態で政治を行なうには、本来であれば、その状態を認識して国民に忍耐強く説明しながら、社会的コンセンサスを求めて政治を行なっていかなければならないはずです。それが、民主主義の本来の姿だと思います。しかし、今の政治は国民の声を無視した政治権力の暴走です。
 この政治状態は、ぼくが暮らしていた社会主義独裁体制下の東ドイツの時代とたいへんよく似ているところがあります。その社会主義独裁体制を崩壊させた東ドイツ民主化運動。それは、東ドイツ市民が社会を変えるために試みた市民同士の対話からはじまりました。秘密警察に監視されている状態で、市民同士が自宅に人を集めて対話をする。それは、自分が危険人物として拘束されるのを覚悟しての行動でした。それを見てきた体験から、ぼくは今の日本でも、市民の対話が非常に大切だと思っています。
 実際日本で対話をしてみて感じたのは、市民の中に対話がしたい、今対話が必要だと感じられていることです。5つの大学で戦後問題について話をしましたが、若い人たちが二度と戦争を起こしてはならないとしっかりした意識を持っているほか、憲法に関してもその意味と内容がはっきりと認識されていることがわかりました。これは、ぼくにとってとてもうれしい驚きでした。
 対話をはじめる。それは、簡単なことではないかもしれません。しかし、自分の生活の中、身の回りの近いところで少しずつ社会の問題や政治について話す機会をつくっていく。2人だけで、あるいは3人くらいの小さなサークルでまず自分の身の回りの問題から話してみる。お互いの考えの違いを知ることも大切だと思います。それが互いに尊重しながら対話をする土台になるはずです。そして、違う考えを持った人から刺激を受ける。それぞれの考えがまったく同じだということのほうがおかしいのですから。
 東ドイツ市民がはじめたように、それがだんだん大きなサークルとなって社会に変化をもたらす大きな力になるかもしれません。今度日本を訪れる時には、ぼくもまたそうしたサークルの中に入れてもらいたいと思います。
 

↑ふくもとまさお氏による講義の様子
 
★9月から10月にかけて日本に一時帰国していたのを利用して、東京電力福島第
原発の脇を通る国道六号線をいわき市から北上して、双葉町までいっ てきま
した。
その時撮影した写真をホームページ「ベルリン@対話工房」に「国道6号線を行
く」のタイトルでアップしましたので、このブログでも紹介しておきます。
 
ベルリン@対話工房:国道6号線を行く(1) ←こちらのリンクをクリックしてください
 
 

 
ドイツ・低線量被曝から28年―チェルノブイリは終わっていない

ドイツ・低線量被曝から28年―チェルノブイリは終わっていない

 
http://gensousha.sakura.ne.jp/gendai/hukumoto/28-2.html ←言叢社のホームページの著書紹介コーナーにリンクしています。「既刊」の文字をクリックしてください。

著者による朗読会のお知らせ(終了)

ふくもとまさお著
 
『小さな革命・東ドイツ市民の体験  統一のプロセスと戦後二つの和解
 

 

 

※朗読会は好評のうちに終了いたしました。ありがとうございました。
 
 

★新刊『赤ちゃんからはじまる便秘問題』

中野美和子著
 
『赤ちゃんからはじまる便秘問題』
 

赤ちゃんからはじまる便秘問題―すっきりうんちしてますか?

赤ちゃんからはじまる便秘問題―すっきりうんちしてますか?

 
※医療や排泄にかかわる保育の現場の方々からの感想  

 
●戦後70年、戦後すぐに生まれた私たちは、まさに「弾の下をくぐった」奇跡の母たちに生み出されました。一人ひとりの命、とくに子どもの命に出会うと、確かに奇跡の条件が整えられた形そのものだ、と思います。このあえかな、そして大事な生命の育みに立ち向かうこの時期に対応する、「生き抜く」ための原則的な知恵を手にしてほしいと思い、シリーズを考えたいとおもいました。じっくりした営みですが、よろしくお願いします。
 
●さて、今回のテーマは便秘です。
 食育という言葉がいわれて久しく、「食育基本法」がたちあがって10年になります。食の片方の出口、排泄のことは、じつは、毎日毎日の身体のサインとして、誰もがわかっているつもりですが、ほんとうには、知っていないかもしれない………。そして子どもの排泄のこと、とくに便秘のこと。
 
●「排便外来」を開いて、毎日「困っている親子」に向き合う、うんち博士と呼ばれている中野美和子先生(さいたま市立病院・小児外科部長)が、ご自身の診療現場をふまえて、この便秘問題を伝える本を作りました。
 

 

赤ちゃんからはじまる便秘問題―すっきりうんちしてますか?

赤ちゃんからはじまる便秘問題―すっきりうんちしてますか?

 
・「排便外来」という専門の窓口を開いて10年、重症の1000人の患者さんから見えてくる、便秘のしくみの原則。
・子ども(乳児から小学校低学年ぐらい)の便秘と大人の便秘のしくみが違うということを、はっきりしって、さまざまな症状を積み重ねてしまう子どもたちの便秘の問題を、なっとくして、なるべく早くに治療を開始してほしいことが、言葉の端々につたえられています。
・便秘の治療の原則は、はっきりしています。お腹にとどこおってしまった便をまず排出して、とどこおらない状態を保つこと、このことにつきる、といいます。便秘が起こる「しくみ」をはっきりと知って、毎日「すっきりしたお腹を感じる」習慣、をつける「原則」を手にしてほしい。

まずは、
★この本を読んでくださった医療現場・関係の方々の感想を掲載することにします。このあと、わが子の便秘に悩んだお母さんや養育者のかたがたの感想や意見を掲載していきます。
 
 
■この本についていただいた感想文

 
●加藤篤さん・日本トイレ研究所代表  *本書にも寄稿していただきました。
 
 子どもの便秘に関する本であるのはもちろんですが、子どもとの接し方も含め、中野先生のやさしく温かな言葉でつづられた一冊です。
 当たり前ですが、子どもの能力や感受性、成長の早さは、それぞれです。子ども自身が判断できない身体の異常に親が目を届かせ、一緒に成長していくことの大切さに気づかされます。
 中野先生は、この10年間で1000例以上の排便に悩む子どもたちと向き合ってきました。本書には、排便のしくみ、正常な排便、排泄と成長・発達から、便秘の治療方法が丁寧に解説されています。くすりや浣腸は癖にならないの? という悩みにも答えてくれます。
 また、実際の相談事例をもとに患者とのやりとりが数多く掲載されているため、便秘の子がどのような症状になるのか、親がどんな気持ちでいるのか、そのときどのようにすると良いかが分かりやすく書かれています。
 親は子どものために良かれと思うことはなんでも一生懸命に試し、努力します。でも、それでも良くならないことがあり、親子ともに疲れきってしまう例が少なくありません。そんな悩みを抱えている方にぜひ読んでいただきたいです。一つひとつの対応方法が分かりやすく明解に述べられています。便秘解消の本であるのですが、それに取り組む心が軽くなると思います。
 たかが排便、たかが便秘です。だからこそ、そこだけは安心してできてほしい。そこがうまくいかないと毎日が嫌になってしまいますよね。
 最後に、本書の中野先生の言葉を引用します。
「便がたまっているのなら、出せばよい。排便できなくて困っている子どもに向かって、頑張って出しなさい、という精神論はやめて、出せるように手助けすればよい。食事で出せるようになるなら、それでよいし、薬を使ったほうが楽なら、そうすればよい。幼い子どもには手助けが必要です。」
 ぜひお読み頂ければありがたいです。
 

 

 
●和田智代さん・未来こども研究所・おむつなし育児研究所代表 
*本書に「おむつなし育児」についてふれています。
 
 とても読みやすい体裁ながら、専門的な知識がしっかりカバーされていて、本当に、素晴らしい本です!
 これこそ、便秘で悩む親子や、彼らを支援する人々が必要としていた本です!
 おむつなし育児に関わるようになって、世の中には子どもの便秘で本当に悩んでいる親子が実に多いという現実に直面してきました。
 しかし、子どもの便秘問題に適切に対応できる医療関係者が少ないという残念な現実の中、どうしていいのかわからず、右往左往している親子は本当に多いです。
 私自身も便秘気味で、息子も赤ちゃんの時に便秘気味で悩んだ経験もあり、他人事ではありませんでした。
 そんな中、『赤ちゃんからはじまる便秘問題』を世に生み出して下さったことで
ちゃんとわかってない医療関係者の言動に振りまわされないで適切な対応ができる親と、
気持ち良い排泄ができて幸せな生活を取り戻す子どもが増えていくことを、心から嬉しく思います。
 そして、便秘を契機として、中野先生が本の最後で書いておられた「子どもの身体をしっかり見る」ことができる親ごさんが増えていくことを、心から願っています。
 心からの感謝をこめて。
 

 

 
●上野 滋先生・東海大学医学部小児外科教授・小児外科
 
 この本はこどもの排便についての本です。
排便のことを考えたい、困っているというかたがたに、少しでもお役にたちますように、作った本です。
 詩のように綴られた、「はじめに」が本書のメッセージを端的に表している。
 こどもの便秘に悩む家族のため、一般向けということだが、日頃患児の排便のコントロールに悩んだことがある、排便のことはどうも苦手と感じる医師には、経験を問わず、読んでみてほしい。腸管機能、特に排便に関する生理学や鎖肛、Hirschsprung 病、二分脊椎といった病気についての知識をおさらいして、わかりやすく患者や家族に伝えるのにも使える。
 何より、経験豊富な小児外科医である著者が到達した境地、やさしい気持ちが語られている。患児家族の思いと医療者の持つ専門性をすり合わせることができる臨床の力、便秘に限らず、こどもたちの病気を診るものに求められるものが伝わる、まさに薀蓄(ウンチク)の傾けられた書である。
 

 

 
●奥 起久子先生・小児科医・川口市立医療センター新生児集中治療科
 
身近なテーマである割に(ある故に?)、実際知られていないこと,反省させられる
こと,新しい知識が網羅されており,面白くてためになる内容になっています。
 

 

 
●加藤栄治先生・医師・小学校同窓
 
 仕事の合間をみて、ようやく読み了りました。
 内容は濃いものですが、大変分かり易く書かれており、一般の方に理解していただける良書だと思いました。
 小児科医の私にとって同様なケースを経験している場合には、“そうだ”と相槌ちを打ちながら、深い洞察のところには“そうか”と、あるいは“そうなんだ”と感心しながら読みました。
 私自身便秘に感心があるので、先生の含蓄のある文章に、これ迄の先生の臨床経験の深さを読み取り、ここに同志を見つけたりというのが読後感です。
 便秘の子をもった親だけでなく、同門の小児科の先生方に購入を勧めます。
 

 

 
●井出留美さん感想・栄養学・博士
 
 中野先生のご本は、全体性をつたえられようとした「立体」的な印象を受けました。中野先生がおっしゃっている通り、大人の場合は食物繊維を摂取してはいけない便秘ことだったり、それ以外の便秘に関しては、「食物繊維をとりましょう」で終わってしまっているように感じます。
 そもそも子どもは摂取目標量も少ないですし、あまりに過剰に摂取すると負荷がかかってしまうので、それ以外の点からアプローチされているのが、子どもに寄り添っているように感じます。
 私は「食」の専門なので、やはり本の中で食に関するところを注目するのですが、私が業界につとめて、はじめて特定保健用食品(トクホ)の申請をした商品、ケロッグオールブランですが、本著で薦めてくださっていました。なんだかうれしく思いました。
 また、末尾のほうで災害時の便秘についても、触れてくださっているのが「かゆいところに手が届く」まさにきめ細やかで、この本を立体的に奥深くしている印象を受けました。私も震災以降支援をしてきましたが、平常時と異なり、非常時には普段想定していないことが起こります。日本は自然災害が多く、災害時の便秘に専門家の方が言及することがとても大切だと、感じました。
 

 

赤ちゃんからはじまる便秘問題―すっきりうんちしてますか?

赤ちゃんからはじまる便秘問題―すっきりうんちしてますか?

謹賀新年

あけましておめでとうございます。
本年も引き続きよろしくお願いいたします。
 

  
 
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